福祉保育労は9月20・21日に東京都内で第30回定期全国大会を開催しました。私たちをめぐる情勢と大会で明らかになった特徴、今後の方向性を示した大会宣言を採択しました。全文を掲載します。
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大会宣言
暴走を続ける安倍内閣によって、大企業・資産家のみが富を得る一方で、国民の生活はかつてなく窮乏しています。保育所待機児童は毎年4万人、特別養護老人ホームの待機者も52万人を超え、認知症高齢者の行方不明、介護離職、障害者の65歳問題など、福祉が「不足」する深刻な状況にあります。それに加え政府は、社会保障改革として国民の権利である福祉を自助・共助にすり替え、ビジネスの対象とするなど、いっそう国民に困難を押し付けようとしています。
一方、福祉現場では離職者が後を絶たない、募集しても人が集まらないという人材不足が続いています。とりわけ次世代を担う若い福祉労働者が劣悪な労働条件に置かれ、将来設計が成り立たない低賃金であることが、働きたい希望を持ちながらも離職せざるを得ない状況を生み出しています。それにも関わらず政府は、処遇改善から目をそむけ、さらに人材不足を口実に福祉労働の専門性を否定し、保育や介護で資格がなくても仕事ができるしくみを導入しようとしています。
福祉と福祉労働が危機にさらされている今日、私たち福祉保育労の運動が持つ役割はとても重要です。
私たちは、福祉労働者の処遇改善のために署名や要請行動、共同運動に取り組んできました。より良い福祉のためには福祉労働者の処遇改善が緊急の課題であることが経営者、利用者、家族とも共通の認識になっています。私たちの粘り強い運動により、「介護・障害人材確保法」が成立しました。
私たちは、組織拡大にも力を入れてきました。新たなキャンペーンとして「見える・伝える・つながる」アクションを展開し、昨年度よりも組合員を増やして今大会を迎えることができました。
大会では、不当労働行為に屈せず争議をたたかう仲間、東日本大震災から3年半経っても今なお復興が進まない被災地の現状を訴える仲間、つながる場を持ち仲間を増やした仲間、職場の賃金・労働条件の改善を目指してたたかう仲間、福祉制度の改善のために自治体に対する要求運動を進める仲間、「なつわか。」で交流した青年部の仲間など、各地からの勇気づけられる発言に福祉保育労の役割、魅力を実感しました。
私たちの運動の根本にあるのは国民みんなの願いです。豊かに暮らせる賃金水準と労働条件、利用者に手厚い支援ができる職員配置、長く働き続けられる職場。私たちの願いは決して夢ではなく、誰もが受けるべき当然の権利です。
私たちは大会で報告された各地の運動の教訓と、決定した方針を確信にして、憲法25条の風化を許さず、「軍事費よりも福祉に予算を」という声を大きくしていきます。そして「福祉は権利」実現のために、「みんなの一歩キャンペーン」に取り組み、多くの人たちとの共同で世論や政治を動かしていきます。
以上、宣言します。
2014年9月21日
全国福祉保育労働組合第30回定期全国大会
◇PDFファイル
//fukuho.info/wp-content/uploads/2014/09/30taikai-sengen.pdf