談話・見解

戦争法案の廃案を求める福祉労働者のアピール『福祉職場で働く私たちは「戦争法案」に反対です』

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 8月28日、社会福祉に働くなかまでつくる福祉保育労は、戦争法案の廃案を求める福祉労働者のアピール『福祉職場で働く私たちは「戦争法案」に反対です』を発表しました。

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《戦争法案の廃案を求める福祉労働者のアピール》

福祉職場で働く私たちは「戦争法案」に反対です

 アジア・太平洋戦争で日本は2000万人にもおよぶ近隣諸国の尊い命を奪い、国内においては310万人もの国民が犠牲になりました。戦後日本は、痛苦の反省のもと二度とこのようなことを起こさない固い決意を平和憲法に込めて国際社会に復帰しました。

 私たちの先輩は、戦後の焼け野原のなか、住む家も、生活の糧も失った子ども・障害者、高齢者・国民の命を守るために住民と力をあわせ支援の手をつくしました。その後、福祉に働く仲間の権利と利用者の権利を守るために労働組合をつくり、国や自治体に向けて施策の確立・拡充を求めるとりくみをすすめました。そして、憲法25条に明記された「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を守り、発展させるために日々の実践を高めるとともに、権利としての福祉の確立をめざし、関係者と共同して職場、地域で運動をすすめてきました。

 戦後70年、日本は一人も戦争で国民の命を失うことなく、一人の外国人の命を奪うことなく今日まで平和憲法を守ってきました。ところが今、安倍政権は平和憲法を骨抜きにし、政府が遵守すべき憲法を勝手に解釈で変更し、他国の戦争に加担する集団的自衛権の行使容認を柱とする「戦争法案」を強行しようとしています。立憲主義を根本から否定する安倍内閣に政権を担う資格はありません。国会審議を通じてこの法案が、日本がアメリカの戦争に組み込まれ、武器や弾薬を補給する兵站活動や武力行使を伴う「治安維持活動」など、アメリカと一体となって武力行使を行う危険性が一層明らかになっています。安倍政権はアジア・太平洋戦争が日本の侵略戦争であったことを認めず、歴史をゆがめ、再び国民の上に国家をおいて、国のために国民が武器をとって命をささげる国にしようとしています。

 私たち福祉労働者は、日々の仕事を通じ命と尊厳を守ることの大切さを学び、何よりも平和を願っています。保育に働くなかまは「子どもたちの輝く笑顔と成長する姿に」喜びを感じ、再び戦禍でその命が危険にさらされないように、その手に武器をもたせないように。障害の事業所で働くなかまは「障害をかかえつつ、懸命にもっている力を発揮し自己実現する姿に」限りない可能性を見出し、障害者が「役に立たないもの」として社会から排除され、再び戦争で障害者が生み出されないように。高齢の事業所で働くなかまは「老いても懸命に生きる姿に」元気をもらい、「二度と戦争はしてはならない」という癒えることのない戦争体験を繰り返さないように。私たちは、そのような思いを重ねあわせ、「平和こそ最大の福祉」をかかげ職場、地域で「戦争法案」反対の声をあげています。

 私たち福祉労働者は、命を「奪い、奪われる」戦争は福祉の対極のものなので、断じて認めるわけにはいきません。日本を「戦争する国」に変え、平和のうちに生きる権利と民主主義を壊す「戦争法案」の廃案を強く求めるとともに、安倍政権が推し進めている憲法をないがしろにするあらゆる戦争政策を即時中止するよう求めます。

2015年8月28日

全国福祉保育労働組合中央執行委員会
執行委員長 多久和 令一

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◇戦争法案の廃案を求める福祉労働者のアピール『福祉職場で働く私たちは「戦争法案」に反対です』(PDFファイル)
//fukuho.info/wp-content/uploads/2015/08/201508appeal.pdf

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