4月17日、福祉保育労は、3月9日にスタートさせたネット署名「#福祉職場が緊急事態 職員を増やして!賃金を上げて」について、4月15日までに集まった1万6293人分の賛同署名簿と、寄せられた99人のコメントを、内閣府と厚生労働省の担当者に提出してきました。ご協力ありがとうございます。
○福祉職場の職員配置基準を抜本的に引き上げ、その配置基準と労働基準法を守ることができる予算・人件費を保障してください。
○すべての福祉職員の賃金を引き上げ、全産業平均との月約10万円の賃金格差をなくしてください。
2点を安倍首相と加藤厚生労働大臣に求めるものです。
このネット署名には、「職員にはもちろん相応の専門的な知識と技術が求められますが、見合ったお給料をいただいているとは到底思えません。『福祉職なのだからお金はなくともやりがいがあればいい』という言葉をよく目にしたり耳にしたりしますが、我々はやりがいのために働いているのではありません」(現場の労働者)、「職員募集をしていますが、応募がなかなかありません。まずは賃金を上げる必要があります。また、手厚い仕事をおこなうには、充分な職員数やスキルを上げるための時間が必要です」(社会福祉事業者)、「私も介護を受けている者です。福祉予算が介護現場に圧倒的に少ない。だから人材が集まらない」(利用者)など、切実な声がコメントとして寄せられました。
そもそも厳しい労働実態と低すぎる賃金水準の福祉現場で、原則的に受け入れながら感染予防をおこなうという新型コロナウイルス感染症への対応が2カ月以上も続いています。
4月17日には、福祉保育労として、内閣総理大臣と厚生労働大臣あてに感染症の予防、感染者が出た場合の対応、休業や閉所への対応にかかわって「新型コロナウイルス感染症対策に関する第二次緊急要請書」も提出しました(詳細https://www.fukuho.info/2020-0420-144006.html)。3月5日に提出した「新型コロナウイルス感染症対策に関する緊急要請書」に続く、第二次の要請書になります。
また、福祉職場と職員の果たす役割の重要性が社会的に注目されているなかで、組合の内外から、特別手当の支給や抜本的な増員・賃上げを求める声が高まってきています。そのような声も受けとめて、6月1日に福祉保育労として予定している厚生労働省・内閣府との交渉(陳情要請)にむけて、現場実態と要求を把握しながら準備をすすめていきます。
緊急事態宣言の発出などを踏まえた保育園への登園自粛により、子どもの数が減ったなかで縮小した保育体制のもとで、特別休暇や在宅勤務とせずに、年次有給休暇の消化を強制されたり、非正規雇用の職員の賃金補償がされなかったりなどの労働相談がメール等で相次いでいます。
引き続き、このような相談への個別の対応もすすめながら、利用者と職員の人権保障が両立できるように、福祉職場の職員の増員と賃上げ、労働環境の改善を求めていきます。