コロナ禍となって3年が経ち、社会的な制限はなくなっています。しかし、子どもや高齢者、障害のある人たちとその家族を支える福祉現場では、引き続き「感染しない・させない」ための業務負担と緊張感を抱えています。いのちをまもり社会を支えるエッセンシャルワーカーとしての役割を果たし続けているからです。
政府は2022年2月から福祉職員に対して月9千円の賃上げ施策を開始しました。しかし、基本給の引き上げではなく、大半は手当での支給となっています。賃金水準は全産業平均より月8万円も低いなか、「9千円も上がっていない」「物価高騰で消えた」などの不満が広がっています。また、政府は防衛費の大幅な増額を最優先にする一方で、その財源の一部で実現できる職員配置基準の引き上げに消極的な姿勢を変えていません。
私たち福祉保育労は、3月2日に厚生労働省・内閣府に対して、賃上げ・増員など求めて交渉(要請・陳情)をおこないました。担当者は賃上げについて、「高齢者介護と障害福祉では、累次の処遇改善にとりくんできた。9千円相当引き上がる処遇改善策を実施したので、より多く活用されるようにして、あわせて業務負担の軽減などをすすめたい」「保育でも、全産業平均よりも低い賃金水準を踏まえて、処遇改善をおこなってきた。今後は公的価格検討委員会の論議を踏まえて、検討していきたい」という回答にとどまりました。
また、職員の増員については、「保育では、3歳児の加算をおこなったが、1・4・5歳の改善については、財源確保が課題になっていて、実現できていない。定員121人以上の園については、4・5歳児のチーム保育推進加算を1名のところ2名にできるように、第一歩として若干改善させる予算案を組んだ」「介護・障害福祉の人員配置基準の引き上げについては、一律に引き上げると、人材を確保できなくなって経営を圧迫する可能性があるので、慎重に検討しなければならない」という消極的な姿勢でした。
異常な物価高騰のもと、社会的に賃上げが求められています。経済界も岸田首相も賃上げの必要性を強調しています。しかし、政治が決断すればできる保育や介護、障害福祉、社会的養護などの福祉職員の大幅な賃上げは、4月から実施されない状況です。また、利用者とその家族の権利と安全・安心を守るためと、職員が働き続けていくために必要な増員につながる施策にも消極的なままです。
私たちは、もう黙っていられません。大幅な賃上げ・増員を求めて、3月9日に「黙ってられない!3.9福祉職員賃上げ・増員アクション」として、ストライキ(群馬・埼玉、神奈川・愛知・大阪で実施予定で3月7日午前10時現在24職場152人、東京・兵庫でも調整中で、安全確保は当然配慮)の実施のほか、職場前や街頭・駅頭などでの宣伝、ワッペンシールをつけた就労、職場アピールの採択と首相・厚労大臣あてのFAX送信などにとりくみます。また、Twitterでは、 3月9日午後5~6時をコアタイムに、#黙ってられない福祉職員の声 #福祉職員賃上げ・増員アクション などでの発信を広げていきます。
私たちの行動にご理解いただき、ごいっしょに声をあげていただくなど、ご協力をお願いいします。
☆3月9日(木)の宣伝行動の予定☆
○群馬 17:30~18:30 高崎駅東口
○栃木 7:00~ 8:00 小山駅東口
7:30~ 8:00 宇都宮駅東口
9:00~10:00 宇都宮城址公園
○東京 8:00~ 9:00 東京都庁前
○神奈川 14:00~15:00 桜木町駅野毛ちかみち入口
○東海 17:00~18:00 金山駅北口
○滋賀 19:00~19:45 草津駅西口
○京都 8:15~ 8:45 京都市役所前
13:30~14:30 北野白梅町
○大阪 10:30~11:45 府庁前集会・デモ
18:30~19:30 天王寺駅東口
○兵庫 8:00~ 9:00 兵庫県庁前
○福岡 8:00~ 8:45 福岡市役所前北側入り口
◆福祉保育労23春闘チラシ 『黙ってられない!福祉職員の基本給UP&増員を!』宣伝用チラシPDFファイル
https://www.fukuho.info/wp-content/uploads/2023/02/23flyer-1.pdf
※「黙ってられない!3.9福祉職員賃上げ・増員アクション」にむけた宣伝チラシです